とりをあつめて

窓を開ける、近所を歩く

とりをあつめて(その36)

『ぬすまれた宝物』

ウィリアム・スタイグ 作
金子メロン 訳

立ち寄った本屋さんの古本コーナーから見つけた1冊。いわゆる「ジャケ買い」で、表紙の鳥に惹かれました。こちら、ガチョウのガーウェイン。初版は1977年で、ずいぶん昔につくられた物語なのですが、変わらないものは変わらないというか、今日の自分にも染み入るものがあります。個人的には、ひとりの登場人物に、深く共感してしまう物語よりも、すべての登場人物の行動が、「なんかわかるかも」程度には頷いてしまう物語が好きで、これはまさにそんな感じ。お気に入りの1冊です。

ところで作者のウィリアム・スタイグ。買ったときには「どこかで聞いたことあるような、ないような……」という名前でしたが、ある日ふと、「あ!」と。大好きなCDのジャケットのイラストを描いた人でした。エピック・イン・ジャズの猫ジャケシリーズ。そのうちの1枚『ザ・ハケット・ホーン』も、やはり同じく、店でたまたま見つける⇒「ジャケ買い」⇒好きになる、の流れでした。こういうの、たまらないです。